継続検査,俗にいう車検についての申請をOSSで行うと何が変わるでしょうか。 指定整備工場が保安基準適合証を添付して行う書類申請とOSS申請とを比較してみます。

書類で申請する場合

自賠責を切ります。整備ソフトでOCRや重量税納付書を印刷し,保管基準適合証と車検証を添付します。予め現金を用意し,支局で重量税印紙を貼り付け,検査手数料を納付し申請する。通常はこういった流れでしょう。

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自賠責や適合証を発行する。

適合証に不備があると煩雑ですね。

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申請書OCRや納付書を印刷する。

重量税額が違っていると煩雑ですね。

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印紙を貼り付けたうえで申請する。

量が多い日は印紙を貼るのが大変です。購入窓口の混雑も嫌ですね。

OSSで申請する場合

e-jibaiで自賠責を発行します。電子保安基準適合証を発行します。OSSで継続検査の申請をします。検査手数料と重量税を銀行口座から支払います。旧車検証を提出し,新車検証とステッカーを受け取ります。リコール情報がある場合はOSSポータルサイトで取得します。

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自賠責・保安基準適合証・申請書を電子送信します。

自賠と保適は指定工場にて。申請は日整連か行政書士が行います。

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諸費用を振り込みまたは引き落とします。

まとめ納付かダイレクト納付によります。

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旧車検証だけを持参し,新車検証等を受け取ります。

軽自動車については納税証明書と受け取りQRコードを提示します。

継続検査の書類申請とOSS申請の比較

 書類申請OSS申請
申請方法書類電子データ
自賠責書類電子データ
保安基準適合証書類電子データ
普通車検査手数料(印紙代)1,200円1,000円
普通車検査手数料支払い方法現金及び印紙ダイレクト納付
軽自動車検査手数料(印紙代)1,100円1,100円
軽自動車検査手数料支払い方法現金及び印紙ペイジー
重量税支払い方法現金及び印紙ダイレクト納付
車検証受け取り方法窓口にて窓口にて

継続検査OSSで何が変わるか

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手書きでの提出書類がなくなります。

窓口では原則として車検証だけを提出すれば足ります。
ただし,軽自動車の場合は納税証明書も必要です。

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電子データの取り扱いが増えます。

電子保安基準適合証を登録する業務と電子申請する業務が発生します。

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現金の取り扱いがなくなります。

代わりに,振り込みや引き落としの事務が発生します。

より細かな変化としては次のような点があります。

  • OCRへのお客様による捺印等は不要となる。そもそもOCRがないから。
  • 監査対象となる変化として,電子申請することについてお客様に承諾をいただき,それを承諾書(認印による捺印が必要)というかたちで次回車検まで保存しなければならない点がある。
  • 検査員は保安基準適合証を手書きしなくてよい。その代わり,入力する必要が生じる。但し,整備システムと電子保安基準適合証とが連動するシステムを導入すれば省力化の余地は大きい。
  • 電子データの補正が業務上負担となる場合がある。タイミングよく補正をしないと手続きが進まない。この点,連動システムの有無が補正の発生確率に影響する。
  • 検査員と申請者が別事業体に所属している場合,つまり行政書士が申請部分を行う場合は,補正の都度連絡を取り合う必要が生じる。
  • 普通車の検査手数料は書類申請より200円安い。
  • 重量税額が異なるという問題が発生しない。
  • 手数料等の領収書を受け取ることができない。反面,経理担当者の負担は減る。
  • 振り込みや引き落としの指示をタイミングよく行わないと手続きが進まない。支払いが一度で完結する現金決済と比べると,支払い業務の手離れは悪くなる。
  • 17時くらいまでの送信にはレスポンスがあるので,17時までに手続完了まで済ませることができていれば,翌朝一に受け取ることができる。
  • 17時を過ぎても申請の送信はできるので,翌朝一から支払い指示に備えることはできる。

まとめ OSSにメリットはあるのか

普通車の手数料が安くなっていることはメリットです。印紙購入窓口に並ぶ必要もない。重量税額が常に正しい。これらもメリットと言えるでしょう。手書きの負担が減り,現金や領収書の取り扱いが減るというのもメリットと言ってよいのではないでしょうか。

しかし,その代わりに増える負担もあります。承諾書を頂かなければならない。また,補正対応や振り込み・引き落とし事務は新たな負担です。

どちらで申請すべきかは,人員数,整備システムの種類などといった,事業者の置かれている諸条件次第といったところでしょうか。

OSS継続検査に舵を切るのであれば,手書きによる書類作成や現金管理から,電子データ入力や振り込み管理に業務をシフトする必要がありそうです。車検証がICカードになる日が本当に現実化するなら,その前段階として導入すべき時期なのかもしれません。