自動車検査には、主に新規検査、継続検査、構造等変更検査、街頭検査の4つで、一般的に「車検」と呼ばれる検査は定期的に受ける継続検査のことを意味ます。

継続検査とは、自動車検査証の有効期間満了後も引き続き自動車を使用する場合に受ける検査です。

この継続検査を国土交通省の推進する「自動車保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)」で申請すると、次のような流れになります。

  1. eJiBAiで自賠責を切る。
  2. 指定工場にて電子保安基準適合証(略して電子保適)を発行する。
  3. 行政書士または日整連代理申請利用者が電子申請をする。
  4. 手数料と重量税を納付する。
  5. 旧車検証と新車検証を交換する。

OSS継続検査申請の流れ

OSS継続検査申請をする場合、どのような注意点があるのか手順とともに解説いたします。

1.eJiBAiで自賠責を切る。

eJiBAiとは、ワンストップサービス(OSS)に対応した自賠責保険のインタ-ネットを利用した発券、計上システムです。eJiBAiで注意しなければならないのは,登録機関への送信です。車台番号がキーとなって電子保適やAINASと紐付けされるので,送信を忘れるとOSS申請をスタートできません。例えば次のソフトの場合のように,赤丸のある箇所に,チェックを入れるのをお忘れなく。

2.電子保適を発行する。

検査員の方に電子保適を発行していただきます。電子保適サービスについてはこちら

eJiBAi発行時に送信された車台番号が電子保適サービスに出てくるため,入力の負担が軽減されます。

適合標章も印刷により発行します。フロントガラスに貼るのは紙の標章と同じです。

電子保適

3.電子申請をする。

AINASで依頼データ初期登録をして送信します。5分後にステータスが申請受付処理中に変わります。

さらに5分後に受付審査中に変わります。

ちなみに,継続検査以外の申請ではこのように一気に審査中にはなりません。継続検査は初めてのことなので,この仕様には戸惑いました。

移転登録などのときのインターフェイスがこちら。

AINASインターフェイス1

継続検査のときのインターフェイスがこちら。

AINASインターフェイス2

見比べてみて,受付番号リスト登録というプロセスが不要なのだと分かりました。従って,識別番号が発行されませんでしたので,運輸支局に識別番号を伝える余地もなかったです。

4.納付する。

申請のための入力も登録の申請に比べて非常に少なく,また,審査中になるまでの所要時間も10分くらいだったように思います。運輸支局の担当官が気づいてくだされば,すぐに納付指示がくるはずです。

広島での継続検査申請は今回が初だったそうで,気づいていただくことができず,納付の段階に進むのに時間がかかりました。運輸支局に到着して,対面でやりとりしながら納付していくというイレギュラーな申請となりました。

そのため,登録手数料と重量税が一気に納付済みとなり,どのタイミングで自賠責と電子保適が取得済みとなるのかを見極めることができませんでした。以前の経験から,取得済みにならなかったら手数料や重量税が無駄になると推測され,取得済みになるまでハラハラしました。

継続検査_状況照会

納付はダイレクト納付により一瞬で終わります。印紙を買う手間が減るのは助かります。ちなみに,継続検査OSS申請の登録手数料はいずれ1,000円に,紙申請による場合が1,200円になる見込みです。

なお,青枠内が「有」になっている場合は,ワンストップサービスのポータルサイト中の状況の照会ページから詳細を確認しておきたいですね。受付番号と到達番号パスワードが必要です。

大体,リコール情報であることが多いですね。

5.新車検証を受け取る。

旧車検証のみを提出し,新車検証とステッカーを受け取って手続き終了です。

継続検査OSS_800

継続検査OSS申請のメリット

今回、継続検査OSS申請をやったことで、登録のOSS申請と違い「添付書類が要らない。入力作業も少ない。印紙を買うために現金を持参しなくてよいし,行列に並ばなくてよい。」というメリットを実感することできました。

申請する側も,運輸支局も,お互いに慣れていけば,継続検査OSS申請のメリットがもっと出てくるのではないでしょうか。継続検査OSS申請が普及して,関係する人々の時間が節約されることを願うばかりです。